ワールドカップ2026観戦記その37(振り返りーその1)

ワールドカップ2026振り返りーその1(W杯観戦記その37)
 W杯が終わってから10日近くがたってしまった。もっと早く総評的振り返りをポストしようと思っていた。何十本もの分析・評価の動画を見たり、さらに多くのメディアやSNS上の記事を読んだりしているうちに自分自身の意見がわからなくなってしまった。
 ともあれ、他人の意見ではない、自分の見たW杯をサッカーの内容、大会を取り巻く諸状況、日本代表の戦いに分けて振り返る。
(注:前回カタール大会では、64試合中52試合をリアルタイム観戦したが、今回は104試合中の56試合をリアルタイム観戦したにとどまった。(後はロング・ハイライトを見た。)試合数は増えたが、観る方にとっては時差も含めてよりハードな観戦日程になっているし、メキシコに現地観戦した前後はリアルタイム観戦をほとんどできなかった。もし、次回64チームに増えたら試合は128試合になるが、もはや体力が持ちそうにない。)

1. 大会前は、優勝候補No.1がフランス、No.2がスペインと予想していたが、今大会ではスペインの強さが際立ったように思える。初戦こそカーボ・ベルデに引分けと苦しんだが、決勝Tに入ってからは試合を重ねるごとにパ-フォーマンスが良くなり、各試合で負ける要素が感じられなかった。特に、準決勝のフランス戦は圧巻で、敵にサッカーをさせない快勝だったし、決勝のアルゼンチン戦も120分でシュート2本に抑え込むなど、スコアは僅差のようでも完勝に近いできだった。今大会のスペインは、ハイレベルな組織と個が融合してチームであり、真似しようとしても真似できないチームだが、現代サッカーの理想形を示したように思える(これが4年先も続くかはわからないが)。ボールを保持し続け、失ってもピンチに陥らないポジション取りができていて、ボール奪還が速く、常に試合を支配続けることができた。8試合で失点1という記録は生半可ではない。スペインは、ユーロ2024、パリ五輪(2024)、女子ワールドカップ(2023)を制覇しており、今大会の主要メンバーの年齢を考えても、2008年から2012年の主要大会三連覇の時期のような黄金期が到来したと言えるかもしれない。
2.アルゼンチンは、優勝した前大会よりさらに「メッシのチームに」になっていた。「戦術メッシ」がさらにバージョン・アップされていた。同時に、この観戦記でも何度か書いたが、大会を通じてアルゼンチンは悪運に恵まれていたように思える。なぜかアルゼンチンに有利に転ぶ判定、見逃される汚いファウル、、、「メッシは好きだけど、アルゼンチンは嫌い」と思う世界のサッカー・ファンはかなり多かったようだ。逆にアルゼンチン人の中には、「大会中、アルゼンチンは世界からの憎悪を不当に受けていた」と考えた人もいたそうだ。
メッシのプレーとアルゼンチンの戦術を見ていると、2030年もまだ出場できるのではないかとさえ、思えてしまう。
3.参加国数が増えたことで、「各国間の格差が拡大するのではないか」、「一方的な試合が増えるのではないか」との懸念が大会前にはあったが、全試合見ていくと、そのような懸念は当てはまらなかったように思う。いわゆる弱小国の底上げがされており、予選リーグ最下位のチームでも、組織と戦術はそれなりにしっかりできていたと感じた。これは、多くの国の代表選手がヨーロッパなどレベルの高いクラブ・チームでプレーしており、また最先端のプレーや戦術が世界中どこでも簡単に動画で見ることができるようになったことによるのであろう。
 今大会は、FIFAランク上の大番狂わせは怒らず、実力国が順当に勝ち上がっていったという印象が強い。個々の試合を観ても、「サッカーで勝って、試合に負けた」というような内容と結果に齟齬がある試合はほとんどなかったような気がする。それがなぜか、はよくわからないが、長丁場になり、試合のために長い移動を強いられた今大会は、勝つためにそれぞれの国の総合力がよりものをいうようになったのではないか。
4.3位のチームの3分の2が決勝Tに進めるという今大会の変則レギュレーションだが、各大陸別の決勝T進出状況を見ると次の通り。
アフリカ: 9か国/10か国出場(90%)
南米: 5か国/6か国出場(83%)
欧州 :13か国/16か国出場(81%)
北中米・カリブ:3か国/6か国(Host3国含む)出場(50%)
アジア: 2か国/9か国出場(22%)
オセアニア: 0か国/1か国出場(0%)
 こうしてみると、アジアが一段、力が弱かったということになるだろう。リーグを突破した日本、豪州も決勝T1回戦で敗退した。アジア枠を減らせという声が出てきてもおかしくないが、FIFAの商売気を考えるとそうはなるまい。
5.大会のトレンドと言えるかどうか、今大会、耐えて守る戦術をとったチームは(特に決勝トーナメントで)悉くと言って良いほど、守り切ることができず失敗した。ブラジル対日本はその典型だが、他にもオランダ対モロッコ、イングランド対アルゼンチン、が挙げられる。(例外として、イングランドはメキシコ戦で一人少なくなって守りに転じて耐えきることができた。)
 4バックを5バックに変え、ラインを下げて、守備を固めてもそれだけでは勝機は来ない。ボールを奪ったら、攻撃に転じる姿勢を見せなければ、押し込まれ放しになる。中央からの攻撃にはかぎを掛けられても、飛び込み続けるクロスにいつかは屈することになる。ブラジル戦後半の日本の戦い方はサッカーの女神に愛されない戦い方だったのかもしれない。

●今大会のベスト・マッチとベスト・ゴール
 自分が選ぶベスト・マッチは、ベスト32のアルゼンチン対カーボ・ベルデ。カーボ・ベルデが前回世界王者に怯まず、勇敢に立ち向かい、2度のビハインドを追いついた。観ていて、胸が熱くなる試合だった。日本もこんな戦いぶりだったら、負けても納得したのだろうと思う。
 ベスト・ゴールもこの試合103分のカブラルのゴール(FIFAの選んだものと同じになるが)。試合の状況、シュートの見事さといい、長く規則に残るゴールだ。
●ベスト・ドリブル
 ブラジル戦の佐野海舟。センターライン前でパスカットし、ドリブルで敵陣を突き抜け、シュート、ゴールまで持ち込む一連のプレーは贔屓目抜きでも、最も印象に残る(結果にもつながった)ドリブルだった。
●ベスト・イレブン ―割とベタな選出となってしまったが次の通り。
GK ウナイ・シモン(西)
DF ククレジャ(西)、クバルシ(西)、ウパメカノ(仏)、ハキミ(モロッコ)
MF ロドリ(西)、ベリンガム(イングランド)
FW エムバペ、(仏)ハーランド(ノルウェー)、メッシ(亜)、
●大会MVP ロドリ(スペイン) 
 これも、FIFA選出と同じMVPになってしまった。万人に最もインパクトが強かったのは、やはりメッシだったと思う。しかし、チームが最高の座に上り詰めるために、チームを勝たせる役割を果たしたのはロドリが上だった。
(振り返りはまだ続きます。)

#ワールドカップ2026

 

ワールドカップ2026観戦記その17と19

【やはり、掲載できていなかった観戦記その17と19をアップします。その18は日付を間違えていたので、内容がなく欠番です。.】
W杯観戦記その17 6月27日(土)【日本時間】 現地26日
 ノルウェー1-4フランス
 既に決勝T進出の決まっている両国。フランスは次の試合の移動距離などを考えて1位で行きたいらしく、ほぼベストメンバーのスタメン。対して、ノルウェーはローテーションを採択し、ハーランドをはじめ主力を多数ベンチに残し飛車落ちといったところ。エムバペとハーランドの対決を期待していた世界中のファンはがっかりか。試合は、デンベレ祭り。右足と左足2本で32分のハットトリック達成。どのシュートも鮮やかで、エムバペに続いてデンベレも覚醒か。試合自体は、スタジアムの雰囲気も含めてW杯らしい緊張感に欠け、点はたくさん入ったが、試合内容は凡庸な感じ。
Man of the Matchは、文句なしで(7)デンベレ。
セネガル5-0イラク
かって在勤していたイラクを応援していたが、開始早々先制され、レッドカードで出て一人少なくなってしまう。前半は絶えていたが、後半連続して失点して大敗。イラクにとってはあまりに厳しいW杯になってしまったが、イラクはこれから成長していくチームだと思う。
Man of the Matchは、(5)ゲイエ。
ウルグアイ0-1スペイン
勝たなければいけないウルグアイだが、試合はスペインがボールを保持し、主導権を握り続ける。ウルグアイは、選手同士やベンチと選手の間の不協和音が画面から見て取れる。スペインがボールを保持する中、前半42分バエナのシュートに大ベテランのGKムスレラがかなり触りながらも止めきれずスペイン先制。このミスがあってかハーフタイムにムスレラは交代になってしまった。懲罰交代かと思ったが、のちの報道だと自分で申し出たらしい。それも意味不明だが。
 2強2弱と言われたグループで、ウルグアイはまさかの敗退。しかし、チームの内情を知れば、むべなるかなという結果であった。
Man of the Matchは、決勝ゴールの(15)バエナ。
カーボ・ベルデ0-0サウジアラビア
ウルグアイに引き分けたサウジは、勝てば決勝T確実だったのに、優勢な前半の間に取り切れず。カーボ・ベルデは引き分けOKで狙い通りの結果に持ち込んだ。(この試合はリアタイ観戦できず)
ベルギー5-1ニュージーランド
ベルギーは最初の1点を取るのに時間がかかったが、後半はケチャップの二があいて大量得点。残念ながら実力差があった感。最初はこちらを観戦していたが、勝負ありと見て後半途中からもう1試合のイラン・エジプト戦に移動。
イラン1-1エジプト
W杯予選リーグ最終戦にふさわしい、両チーム必死の戦い。後半追加タイム3分にイランがこぼれ球を蹴りこんで決勝ゴールと思ったが、ほんのわずかなオフサイドでゴール取り消し。引き分けに終わり、勝ち点3のイランは他の3位国の成績待ちだったが、最終的には決勝Tに進めず。予選リーグ屈指(随一?)の死闘だった。
#ワールドカップ2026

W杯観戦記その19(その18は欠番)6月28日(日)【日本時間】現地27日
パナマ0-2イングランド
クロアチア2-1ガーナ
日本時間朝6時開始のこの2試合はついに見られず。クロアチアは、しぶとさを発揮して、初戦敗戦の後良く立て直してきた。パナマは、48か国中唯一無得点の3連敗で大会を終えた。お国のサポーターはさぞ寂しい思いだったろう。
コロンビア0―0ポルトガル
大会前ポルトガルを優勝候補の一角とする予想もあったが、自分としてはもともとあまり評価しておらず、この試合も不出来。この試合もコロンビアがずっと優位に進めるが、GKの好守に会い、得点できないままドロー。ロナウドは孤立する場面が多く、機能していなかった。
Man of the Matchは、ポルトガルの守護神(1)ディオゴ・コスタ。
コンゴ民3-1ウズベキスタン
ウズベキスタンはショムドルフのループシュートで先制した時はやれるぞと思ったに違いないが、後半3点取られて、3連敗。W杯初出場で、計2ゴール撮っただけでも98年の日本より上です。
アルジェリア3-3オーストリア
後半追加タイムに入って2-2、このまま談合ドローかと思われたのが、思いもかけないドタバタ展開。この本当の面白さ、緊張感はリアルタイム観戦しないとわからなかったと思うので、ハイライトを見ただけの自分には評価できない。
ヨルダン1-3アルゼンチン
メッシは途中からの出場と余裕を見せたが、それでも直接FKを決めて貫禄を見せつけた。ヨルダンは良く戦っていたのだが、予選リーグ全体を通して、セットプレーでやられ過ぎ。
Man of the Matchは、(11)ロ・チェルソ。   #ワールドカップ2026

 

ワールドカップ2026観戦記その13と14

【アップできなかった観戦記13、14を掲載します。】
W杯観戦記その13 6月23日(火)【日本時間】 現地22日
アルゼンチン2-0オーストリア
 メッシは、PKを外すも2ゴール叩き込む。ここまで大会の主役は、やはりメッシだ。
フランス3-0イラク
 残念ながら、実力差は明らか。イラクに1点は取ってほしかった。
ノルウェー3-1セネガル
ヨルダン1-2アルジェリア
 朝6時半に成田空港に到着。最初の2試合は観られず、家に帰って、寝ぼけ眼でノルウェー対セネガル戦を観る。打ち合って面白い試合になる。シュート数やゴール期待値はセネガルが上だが、ハーランドの2発(さすがの決定力)を含め、ノルウェーが2点先行。セネガルも2点を返す粘りを見せるも追いつかず。
Man of the Matchは、今回もハーランド。
 ヨルダンの試合はもはやリアル観戦する体力がなかった。第1節から変わり、アジア勢は苦しい戦いが続くようになった。
#ワールドカップ2026

W杯観戦記その14 6月24日(水)【日本時間】 現地23日
ポルトガル5-0ウズベキスタン
 実力差は明らかだが、ウズベキスタン、何とかワンチャン頑張ってくれといていたが、第1戦不振のクリスチャーノ・ロナウドがその夢を打ちくだいた。試合後、”I’m back”といきっていたが、確かにそれだけのことはある活躍だった。
Man of the Matchは、ロナウド。
 イングランド0-0ガーナ
シュート数19-2とイングランドが常に優勢だったが、ガーナは良く守り、試合をコントロールしていたように思える。
 あまり、印象に残る選手はいなかったが、Man of the Matchは、ベリンガム。
 パナマ0-1クロアチア
 パナマは思ったより、ボールを持てていたが、フィニッシュになかなか持ち込めない。第1戦同様の展開で、後半になってクロアチアが先制すると、自分のペースに持ち込めることなく、終戦。
 Man of the Matchは、代表200キャップに敬意を表し、モドリッチ。
 コロンビア1-0コンゴ民主共和国
 4試合観ていると、さすがに最後は寝落ちしそうになった。
Man of the Matchは、決勝ゴールの(2)ムニョス。
#ワールドカップ2026

ワールドカップ2026観戦記その36

W杯観戦記その36 7月20日(月)【日本時間】 現地7月19日
 決勝 スペイン1-0アルゼンチン
 決勝までの戦いぶりを見る限り、スペインの方が良いサッカーをしているとみていた。ただし、今回アルゼンチンは「W杯を味方につけている」感がある。SNSから見る世界の評判では、スタジアム、審判、そしてFIFAまでがアルゼンチンびいき、だとかなりの多くの人が考えている。準決勝後にアルゼンチンの選手が政治的な横断幕を掲げた事件は、FIFAの基準からすれば当該選手たちの決勝戦の出場停止を命じるべきなのであろうが、決勝戦前には処分は下されなかった。
 決勝戦では、主審がどういう裁きを見せるか、どういうカードの出し方をするのかも試合の行方を占うために注目の一つ。
(ここまでは試合前の記入)
 スタジアムは、今回もアルゼンチンのサポーターが優勢。
 両チームともボールを保持できるが、スペインはトランジションのスピードが速く、ボール奪還へ向かう圧力も強く、速い。前半5分には早くもスペインのチャンスが来るが、ヤマルのシュートは阻まれる。
 スペインがボールを持つ時間がやや長く(ボール保持は60-40)、チャンスの芽が幾度か訪れるが、決定機にはならない。アルゼンチンは前半シュート0本だったが、スペインの高いディフェンス・ラインの裏を取りかけたシーンが二度ほどあり、はっとさせられるが、GKウナイ・シモンがスペースをカバーして大事には至らない。前半は、全体的に固い感じでゲームは進む。
 ハーフタイム・ショーは、豪華なメンバーによる、工夫された演出であるのはわかるが、長すぎるし、決勝のハーフタイムには不要な代物と思える(試合前にやれよ)。BTSの登場は代表の失敗で傷ついた韓国の自尊心を満足させられたか。シャキーラはW杯におなじみで、彼女の歌とダンスが一番W杯の雰囲気に合致していた。ブスケッツと別れてもまだスペインを応援しているのかな?
 後半は、前半よりさらにスペインの攻撃の時間が長くなり、シュート数が増えるが、GKのE.マルティネスのセーブと粘り強い守備で最後の一戦は割らせない。アルゼンチンはほとんど敵陣に攻め込めないが、焦った様子はない。しかし、スペインの保持と圧力が続く中で、その圧力に押されるように、後半48分エンソ・フェルナンデスが2枚目のイエロー・カードをもらって、退場。アルゼンチンは1人少なくなった。
 主審は、強い接触でなければ、ファウルの笛を吹かずに良く試合をコントロールしていた。
 90分でアルゼンチンのシュート0、ゴール期待値0。スペインはシュート13本以上、枠内7。この数字が試合の姿を物語る。
 延長に入って、一人少ないアルゼンチンはPK戦狙いを見せるが、カウンターの機会はかえって増える。しかし、チャンスには結びつかない。スペインも決定機をつかみ、ゴールの匂いはするのだが、GKのE.マルティネスにもビッグ・セーブが出て、前半は無得点のまま。延長前半9分、スペインは今日も中盤をコントロールしていたロドリと、CBラポルテを下げるが、プレーの強度は落ちない。0-0の末のPK戦など見たくないと思っていたところ、延長後半すぐ、ポロのクロスにニコ・ウィリアムスがヘディングで落としたところをフェラン・トーレスが逆足のシュートでゴールを決め、ついにスペインが先制。取るべくして取った1点。
 点を取るしかないアルゼンチンは、逆襲にかかり、CKをとるようなチャンスも何回か作ったが、決定機には至らず。逆にスペイン2点目かと思われるシーンもあったがわずかにオフサイド。結局スコアは動かず、延長後半は計20分間で終了。スペイン、優勝!
アルゼンチンを完全に封じ込め。攻め続けたスペインが勝者にふさわしい一戦であった。90分+15分でシュート0のチームがワールド・チャンピオンになってはやはりおかしいだろう。
試合全体で活躍したのは、ロドリかとも思うが、決勝戦では何といってもゴールを決めた選手が偉い。ので、決勝戦のMan of the Matchは、(7)フェラン・トーレス。
スペイン代表はこれで38戦無敗の新記録。W杯ではカタールで日本に敗れて以来、9戦無敗(PK戦は引き分け扱い)。EURO2024も制し、黄金期が再び到来したようである。スペイン、おめでとう。

表彰式になって、トランプ大統領がインファンティーノFIFA会長がピッチに登場し、一瞬大ブーイング。メキシコのシェインバウム大統領とカナダのマック・カーニー首相が後に続くが、やや影が薄いし、NHKの実況にも紹介してもらえない。スペイン国王夫妻も紹介がなかったが、この日はDia Felizだったからいいでしょう。
選手にメダルを渡すのもトランプかインファンティーノで、シェインバウムとカーニーは握手するだけ。少し分担してもいいのでは。表彰台でワールドカップをキャプテン・ロドリに渡すのもトランプ大統領だけ。空気を読まずに選手と一緒に写真撮影にまでおさまっていた。北中米大会と言いつつ、善悪は別としてアメリカの大会だったことを象徴するような一連のシーンだった。
自分が選ぶワールドカップ全体のMVPはロドリ。FIFAの決定と一致して文句なし。ベスト・ヤングプレーヤー:クバルシ。ゴールデン・グローブ賞:ウナイ・シモンも異論のないところ。ただ、全体の振り返りは別稿で行いたい。
#ワールドカップ2026

 

ワールドカップ2026観戦記その35

W杯観戦記その35 7月19日(日)【日本時間】 現地7月18日
 3位決定戦 フランス4-6イングランド
 W杯の3決はモティベーションが問題と言われるが、両チームとも、新しく先発に抜擢された選手が、点を取ってやろうという意気込みを見せているので、多くのゴールを観ることができるのではという期待がある。
 果たして、ゲーム序盤から両チームにスペースがあり、とてもオープンな展開。前半3分早くも、イングランドのボランチのライスが持ち上がって、ミドルシュート。GK一歩も動けず、イングランド先制。両チームとも守備の強度が落ちていて、寄せが甘い。チャンスは双方に訪れるが、イングランドがそれらを確実に決めていき、前半終わって、イングランド4点リード。フランス、どうしたという試合展開。
しかし、後半に入り、フランスは4枚替えしてデンベレも出てくる。気合を入れなおしたかのように、まずは3分にエムバペが1点。9分にバルコラが2点目。21分にエムバペがもう1点。飲水タイム前に3-4。フランスが元気を取り戻し、球際の強度も上がり、4点差を追いつきそうな雰囲気すら出てきた。
 後半34分にイングランドは流れを変えようと、ベリンガムが投入される。ベリンガム出場後確かに違いが生まれた。彼を起点にした展開で、快足スペンスがエリア内でDFに倒され、PK獲得、サカが決めて3-5。これで終わりかと思ったら、追加タイム内でデンベレとベリンガムが1点ずつ決めて4-6で終了。マンガのような展開だったが、途中から出場してきた選手が確かに違いを生み出した。23歳のベリンガムは今大会7点を取ったが、次の大会にはさらなる主役になりそうな貫禄を見せた。
双方殴りあって、大量のゴール・シーンを見られたので、3位決定戦としては最高のエンターテインメントだったと言えよう。
Man of the Matchは、ハット・トリックの(7)サカ。
#ワールドカップ2026

 

ワールドカップ2026観戦記その34

W杯観戦記その34 7月16日(木)【日本時間】 現地7月15日
 準決勝2 イングランド対アルゼンチン
 この試合は、仏・西戦より展開予想が難しい。ただ、当たりが激しくて、揉め事
が多く起きることは間違いなさそう。
 試合が始まると、画面からゴツゴツと音が聞こえてきそうな競り合いが何度もあり、ファウルやカードが出てもおかしくないが、審判はできるだけ流すように裁いているのか。中盤でつぶしあって、両チームともシュートがなかなか打てない。メッシは、これまでの試合より動きが多い感じで、イングランド戦だからテンションが上がっているのか。両チームともプレーは激しいが、チャンスの生まれない前半だった。
 後半10分、ケインのロング・フィードからチャンスが生まれ、右からのクロスにゴードンが飛び込んでイングランド先制。この後、試合の状況が変わりだす。追いかけるアルゼンチンは攻勢を強め、敵陣に入り込んでいく。気になるのは、イングランドに効果的なカウンターができる気配がないところ。イングランドは守備的な選手を入れ、アルゼンチンは攻撃的な交代カードを切っていく。30分台にはアルゼンチンのシュートがポストを叩いたり、GKピックフォードのビッグセーブに会ったりと、要はアルゼンチンの攻撃が徐々にイングランドを追い詰めていく。
後半37分頃イングランドはさらに守備的な選手を入れ、5バックに変えて、逃げ切りに入る。しかし、今大会、受けに回ると、守り切れず失点するケースが多い。アルゼンチンの攻撃はやまず、エンソ・フェルナンデスのミドルシュートがCKを生み、メッシのショート・コーナーから折り返しを受けたメッシがエンソ・フェルナンデスへマイナスのパス。彼の2度目のミドル・シュートがゴール・ネットを揺らし、アルゼンチンついに同点に追いつく。
同点になると、会場のムードを含めアルゼンチンの強度と圧力が高まり、イングランドの選手の顔が青ざめる。
後半、47分、アルゼンチンの波状攻撃から、右サイド深い位置からのメッシ右足のピンポイント・クロスにラウタロ・マルティネスがヘディングで決めて、アルゼンチン逆転。この後、イングランドが同点に追いつく戦術も体力もなかった。
 2ゴールともきっかけを作るのは、メッシ。アシストもメッシ。なので、Man of the Matchは、メッシ。
 今大会のW杯の女神は、過早に守りに入るチームには味方しない。決勝に行く2チームはそれを心するように。決勝戦予想は、スペイン2-1アルゼンチンとしておく。
#ワールドカップ2026

 

ワールドカップ2026観戦記その33

W杯観戦記その33 7月15日(水)【日本時間】 現地7月14日
 準決勝1 フランス0-2スペイン
 FIFAランクの1位から4位までが揃った準決勝だが、今大会に限るとこちらの2国が他の2国より上回っている。両チーム7試合目となってフランスが、1日休みが長い点は有利。巧さのスペインとスピードと破壊力のフランス、今大会最高峰レベルの対決が見られるだろう。
試合が始まると、スペインのボール保持は本当に確実で、奪われそうだと見えても奪われない。さらに、ボールを失っても奪還のスピードが速く、フランスのパスコースを消す組織的な守備が機能して、フランスに攻撃の形を作らせない。
 前半20分、ククレジャからのクロスが流れたところを処理しようとしたSBディニュが後ろから駆け上がってきたヤマルに先に触られ、ディニュがヤマルの身体を蹴ってしまって、PKを献上。ディニュとしては予想もしていなかったファウルだったろう。オヤルサバルのPKは、コースは読まれていてが、スピードと場所も申し分なく、スペイン先制。
先制後もスペインの主導権は変わらず、一方フランスは28分CBサリバが突然座り込み、交代になる。38分にスペインに決定機が来るが、決めきれず。フランス、エムバペの抜け出しは二度ともオフサイドに引っかかり、フランスに得点の匂いは一向にない。それにしても、日本の実況アナウンサーは、チームや選手について十分勉強しているはずなのに、なぜ蔑称「無敵艦隊」を何度も繰り返すのか。
後半に入ると14分、SBポロがパスを出したダニ・オルモの落としにそのまま走りこみ、GKとの1対1を制し、スペイン2点目。試合の流れが完全にスペインに行ったという感じがする。16分ヤマルが抜け出してGKをかわしてループシュート、3点目かと思ったが、ほんのわずかにオフサイド。
 スペインの高いラインをエムバペが突破したと見えたシーンもGKウナイ・シモンが果敢に飛び出し、決定機は作らせない。スペインのパス回しに会場のオーレの掛け声が響き、フランスは全くペースがつかめないまま、時間が過ぎていく。フランスも必死に反撃するが、スペインの守備態勢は乱れず、2-0のままで試合終了。スペインは終始自分たちがやりたいサッカーができた。組織的でありながら、美しいサッカーで、予想以上の完勝となった。
 ベスト16の観戦記時に、スペインはまだ伸びしろがあると書いたが、まさにだんだん良くなっている。決勝も期待できる。
Man of the Matchは、(12)ポロ。
#ワールドカップ2026