読書の秋

 スペインでは車での通勤途次に音楽(CD)をよく聞いていたのですが、日本に帰ると音楽を聴かなくなり、本を読むようになりました。日本の本屋は面白い。ちょっと読んでみたくなる本がたくさんある。同時にたくさんの本を読み進めていますが、帰国後読んだ本と読んでいる途中の本の短評。
 
帰国後読了
「ジャーナリズム崩壊」上杉隆・・・今話題のジャーナリストで、指摘が当たっているところも多々あると思うけど、米国基準だけで日本のジャーナリズムを斬って捨てている感あり。
「アフリカ・レポート」松本仁一・・・アフリカも変化しつつある。そのごく一部をきっととらえているのでしょうか。
漢書に学ぶ「正しい戦争」」櫻田淳・・・櫻田氏のブログに表れる考え方に共感するところは多い。この本は少し繰り返しが多かったかな。
政権交代の法則」草野厚・・・戦後政治史の教科書という感じで、復習にはいいが、法則と言うところまでは浮かび上がらず。
「『ニッポン社会』入門−英国人記者の抱腹レポート」コリン・ジョイス・・・軽く読めるが、日本への愛情と直截な指摘が感じられ、共感が持てる。変な記事が外国紙に載るのは、本社の編集部のせいか。
霞ヶ関埋蔵金男が明かすお国の経済」高橋洋一・・・最近有名人ですね。当たっているところもあるが、対立する一方の軸の言い分ばかりを聞いている気がする。自分はどちら側かにいるわけではないと思っているが。
ブログ論壇の登場」佐々木俊尚・・・こういう社会の変化をわかっていないと困ると思うが、わかっていない人が周りには結構多いと思う。
「4−2−3−1:サッカーを戦術から理解する」杉山茂樹・・・メッセージは明確(サイドが大事、攻撃的に布陣せよ)で、共感できる部分も多いが、さすがに単純すぎないか。
「黒の狩人(上)、(下)」大沢在昌・・・日本にいた時は大沢作品はたくさん読んでいるけど、久しぶり。いつもの通り面白いけど、外務省女性事務官はリアリティに欠けます。
覚悟のすすめ金本知憲・・・これを脱稿したのは、6月末か7月の初め頃か。出版は9月上旬。タイガースの優勝を確信している(当然だが)のが、今となっては悲しい。

読書中
「大衆の反逆」オルテガ・イ・ガセト・・・25年ぶりの再読です。何だか昔と翻訳の内容が違うような気がします。大衆社会への批判は、さらに時代を超えて当たってきている・・・か。
ハイエク−知識社会の自由主義池田信夫・・・ノーベル経済学賞受賞のハイエク。いろいろ誤解もされているらしい。
「近代経済成長を求めて」浅沼信爾、小浜裕久・・・今まで仕事をしてきた経験から言うと常識的なことがこの本に書いてあると思うが、常識的なことを受け入れない人は同時にたくさんいることもわかった。
「偽善エコロジー武田邦彦・・・俗論環境保護を批判するこの本も当たっているところは多いが、書き方が極端なような。
「終わりなき復讐」ブライアン・フリーマントル・・・彼のスパイ小説で翻訳されたのはほとんど読んでいたと思っていたが、まだまだ残っていた。陰鬱なスタイルが彼らしい。
「日本を変えた10大ゲーム機」多根清史・・・スペインでゲームの講演をする予定だったが、できなかった。書かれていることは面白くて、参考になるけど文体はちょっと読みにくい。

「危ういジャーナリズム−途上国の民主化とメディア」杉下恒夫、
「見えないアメリカ」渡辺将人
この2冊は読み始めたばかりです。