フェルメール展

 12月6日午後、上野都立美術館にフェルメール展を見に行きました。スペインにいたときから注目していた展覧会だったのに、終了間際の今日ようやく行くことができました。美術館は入場のために80分待ちという長い行列。あとわずかな展覧期間で、好天の土曜日だったこともあるでしょう。フェルメールの本を読みながら行列に並びました。
 今回の展覧会で展示されているオランダ絵画は、全部で39点だけですが、このうち7点がフェルメールです(真作かどうかで議論がある作品も含まれていますが)。7点ものフェルメール作品がまとまって日本で公開されるのは初めてだそうです。
 フェルメールは30数点しか作品が現存していません。フェルメールの人気の原因の一つはその現存作品が少ないことではないでしょうか。フェルメールの絵はヨーロッパとアメリカの美術館だけにあり、この数なら、フェルメールの全点制覇も不可能ではないですね。他の画家ではそうはいきません。私も全作品の3分の2くらいは生で見ています。
 フェルメール作品には、宗教画や神話の絵画は少なく(展覧会では1点ずつ展示されていましたが)、当時のオランダの風俗を描いたものが多いのです。宗教画よりも風俗画の方が、日本人の心情にぴったりすると言えるのか、日本では特に人気が高いようです。
 2点だけ残っているフェルメールの風景画のうちの1点「小路」がとても印象に残りました。画集で見るのとは全く異なる、建物の煉瓦や漆喰の質感がすばらしい。小さな作品ですが傑作です。
 80分並ぶ甲斐はある展覧会でした。