夜会vol.15に行く

タイガースと46年くらい、中島みゆきとは32年くらいつきあっています(あまり関係ないか)。世代を超えて、日本のポップ・ミュージックのトップシーンを走り続ける姿は脱帽もの。
 12月16日に赤坂Actシアターに夜会vol.15−元祖・今晩屋を見に行きました。1990年に始まった夜会ももう15回目ですねえ。シアターそばでポスター展も開催されており、ちょっと懐かしい気分。
 夜会は、コンサートでもない、演劇でもない、ミュージカルでもない言葉の実験劇場とされています。私は、本当は、夜会よりコンサートの方がいいのですが。『歌』に深い意味をこめる中島みゆきは、芝居が無くても歌だけで世界を作れる、と思います。夜会はむしろ余計なものがついてくる印象もあります。
 夜会は、中島みゆきが歌っているところはそれだけで舞台が締まるのですが、台詞の部分や他の出演者との演技の部分はちょっと緊張感が落ちる気がします。話の内容もシュールだし、初めて聴く歌詞の歌を理解して、筋について行くのは実は大変。今回は、『物語は、至極単純、「安寿と厨子王」のその後の物語でございます。』(パンフレットより)ということですが、至極単純でもなかった。
 でも、中島みゆきが安寿たちの母に扮し、目隠しをして一人で「ほうやれほ」と歌うときには、圧倒的な迫力があります。このような歌は、夜会の文脈の中で歌うことで、より聞かせる歌になるのでしょう。中島みゆきはやっぱり「歌手」だ(歌でしか言えない=cp中島みゆき)、と感じました。