グスコーブドリの伝記:残念な映画

7月16日、宮沢賢治の童話『グスコーブドリの伝記』がアニメ映画化されたので、早速映画館に見に行きました。
宮沢賢治の自伝的な要素もあると言われる『グスコーブドリの伝記』は、賢治の童話の中で最も好きな作品なので、期待していったのですが、結果は・・・とても残念。

この作品に限らず、使命を帯びて死地(危地)に向かうキャラクターには感情移入してしまいます。人々の命と暮らしを守るため、命をかけて火山島に向かうグスコーブドリは、public serviceにある者のモデルです。

映画化するのに、原作を変えるのは構わないのですが、原作にない幻想シーン(夢の中のシーン)は何を訴えたいのか分からず、全く効いていないし、一番盛り上がるクライマックスを夢オチみたいに処理してしまい、全く拍子抜けのラストになってしまいました。前半は幻想シーンを挟みながらも比較的原作を追っていったのに、後半は省略が多くなり、原作の中の大事なセリフもカットされ、尻切れトンボ。グスコーブドリの強いモティベーションも伝わらない。こんなにひどい改変はめったに見ないという映画でした。