セビージャとコリア・デル・リオにて

 選挙後の一週間は、イベントも多く大忙しでした。
 その週の金、土(14,15日)は、セビージャに出張し、まずセビージャ大学で行われていた日本文化特別コースの囲碁の授業に参加しました。セビージャ大学は各所に建物がありますが、今回の場所は、歌劇カルメンの舞台であるタバコ工場跡。教えていたのは、アンダルシア囲碁連盟の会長さんです。ここに乱入?して、10分くらい話(囲碁と将棋の話)をして、質疑応答を受けました。

 その後、セビージャから車で15分ほど南に行ったコリア・デル・リオ(Coria del Rio)は、かって支倉常長使節団が上陸した町です。ここには、ハポン(日本という意味)の名字を持つ人が数百人住んでいて、支倉使節団の一行でスペインに残った人の子孫ではないかと考えられています。
 そのようなつながりから、この小さな町は日本との関係を大切にしていて、今年も日本文化週間を開催しました。セビージャに住む日本人や日本研究関係者の人が書道、折り紙、料理などのデモンストレーションを行ったそうです。
 市長さんたちの案内で町を歩きました。グアダルキビル河畔に立つ支倉常長像を見学。メキシコのアカプルコ支倉常長像を見たので、2大陸で支倉常長像を見たことになる、と言ったら、現地の人に受けていました。 文化週間開催中の閉会式に出て、挨拶を行い、地元の人たちが踊るフラメンコを鑑賞しました。

 使命を持って、冒険をした人に私は関心を持っているというか、敬意を持っています。支倉常長はそういう人の一人ですが、苦労して帰国したときには厳しい運命が待っていたわけです。コリア・デル・リオの支倉常長像は手に主君の書簡を持って、河口を見つめています。視線の先には、遙かなる故郷を見ているのでしょうか。