「シリコンバレーから将棋を観る」(梅田望夫)を買いに行く

 アフリカ出張前から楽しみにしていた梅田望夫氏著の「シリコンバレーから将棋を観る羽生善治と現代」(4月24日発売)を近所の本屋に買いに行きました。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20090423
 この本に関して、梅田さんのブログにトラックバックしたら(梅田氏は、ネット上での自著の書評をほぼすべて読んでいるらしいです)、梅田さんはそのトラックバックに反応して『新著「シリコンバレーから将棋を観る」は、何語に翻訳してウェブにアップすることも自由、とします。』とブログ上で宣言したのです。
 http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20090420
 このエントリーの存在については、ジブチで知ったわけですが、「シリコンバレーから将棋を観る」がますます楽しみになりました。
 さて、近所の本屋は中規模店ですが、将棋コーナーをのぞくと、予想通りというかこの本はありませんでした。書店員の人に聞くと、2冊入荷していると言います。「将棋コーナーですかねえ、ITですかねえ?」店員の人も見当がつかないようで、2人の店員が一緒に探してくれましたが見つかりません。実は話題の新刊コーナーのところに2冊並んでいるのを私が見つけました。全国の書店でどのようなコーナーにこの本が置かれるのかちょっと興味があるところです。

 私自身も大学卒業後は、コンピューター相手に将棋を指す以外はほとんど人と将棋を指す機会がなく、「鑑賞する、観る将棋ファン」になってしまいました。年齢を経るにつれて、自分の将棋に関する能力が衰えていくのがわかるから、あまり人と指して負けたくないという気持ちもあるのかもしれません。「将棋を世界に広める会」の活動をするようになってからは、「世界に普及する将棋ファン」にもなりました。今は、こちらが「本職(笑)」カモしれませんが、なかなかそのための時間もとれません。
 梅田氏の本にも言及がありますが、現代の将棋は長年の常識が近年次々と覆っていっています。この点について言えば、(少なくともここ15年くらいだけをとって言えば)囲碁より定跡の変化が早いような気がします。常識を覆す新しい時代の定跡の象徴と呼ぶべきものが藤井システム(特に対穴熊藤井システム)だったと私は考えています。序盤から振り飛車側から居飛車穴熊の理想型を拒否して攻撃を仕掛ける発想は、(チェスや象棋と比して)前進に高い能力を発揮する駒が多い将棋の特質を活かしている気がします。
 将棋定跡の進歩をフォローすることは、それで自分の将棋が強くならなくても、科学の進歩を追っていくような楽しさがあります。まだ、第1章までしか読んでないのですが、梅田さんの本にもきっとそういう魅力が語られているでしょう。
 将棋が日々弱くなっているとはいえ、強くなることをあきらめたわけでもないので、同じ本屋で新刊の「角交換振り飛車(基礎編)」鈴木大介八段(4月25日発売)も購入しました。角交換振り飛車も旧来の常識を覆して、最近有力になってきた戦法です。