梅田望夫さんに聞く(後編)への感想。

Web、はてな、将棋への思い 梅田望夫さんに聞く(後編) (1/3) - ITmedia NEWS梅田さんのインタビュー、昨日の続きがアップされています。何だか、昨日の掲載分と雰囲気がかなり変わってますね。これを読むと、このブログの昨日のエントリーはちょっとピント外れだったかなという気がしてきた。

『そういう言われ方をすれば、もうみんなそう思っていると思うけど、僕はそういう人間だよ。ハイブロウなものが好きですよ。それはしょうがないじゃない。
 それは否定しないよ。僕はそういう人間だからね。でもね、本当はできる人が「できない」と言う文化は嫌いですね。本当はできる人が「自分はダメである」といってみんなと仲良くせざるを得ない日本の社会というのは嫌いですよ。
 高校生でも中学生でも、勉強ができる子が「できる」と言わない。頭のいい子は隠れる。「ウェブ時代 5つの定理」(文藝春秋)の時も、「これは“上の子”に向けて書いた本だ」と、はっきり言ったんだけど』
ウェブ進化論が予想外に売れてしまったためにマスと対峙(たいじ)せざるを得なくなり、僕自身の最先端・最高峰を愛するという本質的な志向性から、しばらく離れてしまっていたんだな、と最近つくづく思います。それは、「シリコンバレーから将棋を観る」を書いてみて、改めて痛感したこと。やはり僕は、こういう超一流の世界が好きだから。』
 梅田さんは(否定的な意味ではなく)開き直ったような感じがします。言い方を変えれば、(読者は想像くらいはついていたけれど)、著者の方からこれまでより率直に好き嫌いや志向を告白した、という感じです。写真も元気がないような表情の1日目のものから、吹っ切れたような表情に変わっている(気がする)。
 ウェブ進化論の内容はわかりやすかったから、読者は梅田さんは多くの人にビジョンを示すビジョナリーと錯覚してしまったのかもしれない。マスと対峙する用意があると勘違いしたのかもしれない。
 できない人を助けることも大事だけれど、全く別の次元の問題として、できる人を伸ばすことも大事だと思う。むしろそういうことを説く人はまだ少数派なので、梅田さんはもっともっと発言し、マスの反応を気にしすぎることなく、やりたいことをして、活躍すればいいと思います。

 一方、将棋界について。
 インタビュアーの発言―「シリコンバレーから将棋を観る」は将棋界から衝撃を持って迎えられていると聞きます。・・・本当かな?衝撃が変化をもたらすというのであるとすれば、将棋界の将来も少しは明るい気がするが、まだ楽観的にはなれない。
 棋聖戦第一局、梅田さんのウェブ観戦記も楽しみです。「シリコンバレーから将棋を観る」が衝撃を持って迎えられているとすれば、梅田さん以外の記者もウェブ観戦記に挑戦してほしいものだが。