ワールド・カップ・・・・ミッドターム・レビュー

ベスト16まで終わりました。地球最大の4年に一度の祭典が少しずつ終わりに近づいていくのを感じます。
準々決勝まで試合がない日が続く中でのミッドレビューです。

全体的には、ゴールが少ないことが気になります。ベスト16になって少し変わってきていますが。
 1次リーグ48試合で101ゴール。ベスト16の8試合で22ゴール。合計すると56試合で123点ということは、1試合平均2.2ゴール。近年のW杯の平均ゴール数は減少傾向にあります。大会前はいつも多くのゴールが生産される大会を期待するのですが、今のところちょっと期待はずれです。一つには、堅守速攻、カウンターを戦術とするチームが多いと言うこともあるでしょう。1点取って守りに入るチームも少なくありません。
 これからの試合、攻撃的に戦うチームが勝ち進んで欲しいものです。

ドイツ・ワールドカップでは、日本は明らかにチームのコンディション調整が失敗していました。走れるはずの日本代表は、毎試合走り負け、スタミナ負けをしていました。ピークが大会前に来ていたようです。今回の日本は、走った距離でも上位に入り、各選手の身体が切れているように思えました。岡田監督もコンディション調整を行っていた三重大学の先生に感謝していました。(パラグアイ戦ではさすがに落ちていたようで、走行距離もパラグアイに劣っていました。)怪我人も出なかったし、コンディション調整の成功がグループリーグ突破の重要な原因でしょう。
 さて、日本代表良くやった、選手も監督もご苦労様と言いたいですが、反省点も多いところです。日本のマスコミのように、負けたらこき下ろしで、少し勝ったら大絶賛というのは、良くないです。
 1トップにして、アンカーを置き、守備的に入ることは、いわば弱者の戦術で日本の立ち位置を考えれば、正しい選択だったと思います。しかし、ぎりぎりで戦術を変えるのは、大きな博打で、今回は成功しました(大胆な戦術変更などと賞賛されています)が、本来は正しいチーム強化方法ではないでしょう。戦術変化は正しくても、正しい自己評価をするのが遅くなかったか。
パラグアイ戦では、押し込まれていて、セカンドボールが奪えず、最終ラインではね返してもクリアで終わって、つなぐことができない、高い位置でボールを奪うこともなかったので、試合の最終盤ではやや攻めにギアが入り始めたとはいえ、迫力あるカウンターはわずかでした。負けないサッカーでしたが、勝てるサッカーではなかった。パラグアイ戦に限ればある意味では成功した戦術ですが、これ以上、上に行くのは難しいでしょう。(直後のスペイン対ポルトガルと比べると、日本対パラグアイの試合の質は相当低かったというのが現実です。)

ディシプリン(規律)、ガッツ(闘争心)は、4試合を通じて他の強豪に負けないくらい見せることができました。強化試合でできなかったことがなぜ本番でできたのでしょう。
要するに、今回は強くないチームが良く戦い、頑張った、と言うことだろうと思います。それはそれで素晴らしいけれど、世界に追いついたみたいな評価は間違いでしょう。選手は、マスコミよりよほど落ち着いていて、反省を活かすようなコメントをしているから大丈夫だと思います。岡田監督は、勿論一番冷静に世界と日本を観察しているのが、その一言一句からわかります。その経験を後進のために活かして欲しいです。
中村俊輔。この数年日本サッカーを引っ張ってきたのですが、つくづくピークがワールドカップに合わないな、と感じました。ドイツでは、最低のコンディションで敗因の一つになり、今回も、今年になってケガの影響もあって、調子が上がらず、活躍できなかった。応援していたので残念ですが、これも巡り合わせです。ワールドカップの活躍だけが選手としての評価ではありません。)
中澤佑二。予選以来の日本代表MVPを選ぶなら、中澤です。中澤、闘莉王のコンビであったから、世界と戦えました。中澤が代表引退した後のCBが最大の課題です。)

 でも、一つの勝利、決勝トーナメント進出がこんなに幸せな気分にしてくれるとは。日本代表、ありがとう。
 これからはスペインの応援だな。