準決勝は快勝

日本代表がベスト4までやってきて、ようやく日本国内でも盛り上がってきた感じがする女子ワールド・カップ。地上波での放送もようやくという感じで、決定しました。
7月14日(木)、平日の午前3時45分とはちょっとつらい時間ですが、応援しないわけにはいきません。スウェーデンは、準々決勝のオーストラリア戦を見ても、高さと強さを備えた強敵、最近は日本が分がいいようですが、試合が始まる前までは、スウェーデンの方が実力が上ではないかと思っていました。身長差10cmはやはり大きい。
永里に代えて、川澄を入れてきた日本。試合が始まると、印象は一変しました。日本がボールを保持し(それも比較的高い位置で)、相手ボールになってもすぐ前線がチェイスして、場面場面で数的優位を作ってボールを奪い返します。言ってみれば、テレビ画面の中で日本の選手の数の方が多いような印象を与えました。日本のコンディションは上々のようでしたが、中2日のスウェーデンは準々決勝に比べても動きがよくありません。足元の技術はもともと日本が上。
「これは勝てそう。」という感じがします。
しかし、前半10分澤の不用意なパスをカットされて、敵FWに豪快に叩き込まれてしまいました。嫌な雰囲気が漂いましたが、日本は慌てることなく、その後も落ち着いたプレーを続け、18分に初めて先発した川澄がクロスに体ごとぶつけるような形でゴール、同点。(オウンゴールのようにも見えましたが、川澄の足にも当たっていました)
同点になってからの日本は、ボール・ポゼッションがさらに高まり、短いパス回しが冴えてきました。特に前線からの積極的な守備が非常に効いています。日本のはっきりした優位が続きました。得点の匂いがします。
果たして、後半15分に、澤がゴール前のこぼれ球を頭で押し込み、得点王タイに並ぶ逆転ゴール。ミスを帳消しにするゴールでした。日本はリードしても守りに入らず、攻勢を続け、19分には前に出てきたGKがパンチしたボールが川澄の足元に。川澄は、ワントラップしてロングシュート、ループ気味の弾道が鮮やかにゴールに突き刺さりました。あの状況だったら、誰だって狙うと思いますが、なかなか枠には飛ばないものです。本当に素晴らしいシュートでした。
後半は、終始日本ペース。スウェーデンはもっと高さを生かして、露骨なパワープレーをやったほうが、まだましだったような気がします。
3−1になった時点で、日本の勝利を確信。危ないシーンもほとんどなく、快勝で決勝戦に進出しました。

短いパスをつないで、高いボール・ポゼッション率を維持し、前線からの積極的にボールをチェイスして守備をする、スウェーデン戦の日本なら「女子サッカー界のバルセロナ」、と呼ぶのもあながち褒めすぎとは言えません。バルセロナの真の特徴は最後の前線からの守備だと思いますが、準決勝の日本はこれが特に良くできていました。

決勝まで来た日本、マスコミの扱いが全く違ってきました。日本のメディアも先見性がないなあという気がします。ワイドショーでも選手の家族が取り上げられたり・・・。

決勝のアメリカ戦ですが、冷静に考えると、日本の勝ち目は薄いところ。しかし、アメリカも今大会スウェーデンに敗れていますし、準決勝のサッカーができれば、日本に勝機はあるでしょう。
祝日の早朝ですから、今度は多くの日本人が応援できます。サッカーに限らず、男女限らず、日本の団体球技スポーツが世界の頂点に立つようなことは、最近ではオリンピックのソフトボールぐらいしかありません。ワールドカップという場で頂点を目指す日本代表にはもっとハイライトがあたってもよかったと思います。ただ、今週末はさすがにこれまでとは次元の違う盛り上がりになるのではないでしょうか。