アトレティコ・マドリードの優勝

リーガ・エスパニョーラ2013-24シーズンは、最終節で首位アトレティコ・マドリードと2位バルセロナカンプノウで激突というドラマチックな舞台が用意されました。日曜日の午前1時という観戦しやすい時間帯で、WOWOWのテレビを前に運命の瞬間を待ち受けました。土曜日には、スペインのアトレティコ・サポに電話をしたりして、雰囲気は盛り上がっていきます。
ファルカオが抜けたアトレティコが2強を抑えて優勝争いのトップに立つとは、シーズン前にだれが予想できたでしょうか。しかし、今期のアトレティコは、特に各選手の献身的なハードワークが20チーム一という、チームとしてのまとまりが目立っていました。シメオネ監督がチームに戦術と戦うスピリッツを浸透させていました。
 リーガ後半に首位に立ちながら、アトレティコは最終節の前に1敗1分けと足踏みをしてしまいました。最終前節、勝っていればホームで優勝決定だったのですが、2週間で3強の7試合どのチームも勝つことができないという信じられないリーガ最終盤になりました。
 カンプノウは当然ながらバルサのサポーターの盛り上がりがすさまじく、アトレティコのサポーターは500人くらいしかいない状況。
試合の方は、両雄の気迫が画面からも感じられるような厳しい試合。しかし、前半間もなくディエゴ・コスタが負傷交代となる苦しい展開。試合前からディエゴ・コスタは怪我の具合は大丈夫かな、と心配していたのが現実になりました。前半半ばにはアルダまで負傷交代。33分にサンチェスにスーパーゴールで先制され、天運はアトレティコに味方しないのか、という気になりました。しかし、プレーヤーのハードワークは変わらず、後半開始間もなくアトレティコバルセロナに対して持つ数少ない優位点であるセットプレーを生かして、同点。
残りの時間は、バルセロナが押し込む時間帯が長かったのですが、アトレティコの集中力は最後まで途切れず、1対1の同点、すなわちアトレティコの優勝となりました。バルセロナのサポーターたちが温かい拍手を両チームに送っていたように見えたのが印象的でした。

2006年スペインに赴任して以来、アトレティコ・マドリードを応援してきましたが、2強時代の続くリーガでこんなに早くアトレティコの優勝を目にすることができるとは…。アトレティコのサポーターはSufridores(苦しむ人)と呼ばれます。長い間つらい思いをすることに耐えてきたのですが、18シーズンぶりの優勝。とてもうれしいと同時に、大変感慨深い思いに浸りました。
ツイッターを見ていると、アトレティコを応援している人が意外に多いに驚きました。日本にいるファンはたいへん少ないはずですが、今シーズンの戦いぶりが日本のサッカーファンを引き付けたのでしょうか。
ローテーションもあまりできない選手層の中で、チャンピオンズ・リーグも決勝まで来ています。長い伝統を誇るアトレティコとしても最高の1年になるのではないでしょうか。24日のチャンピオンズ・リーグはレアル相手。バルサ以上に絶対負けたくない相手です。ディエゴ・コスタが厳しい状況ですが、サッカーの神様は1シーズン、真の意味でのフォア・ザ・チームを実践してきたアトレティコのプレーヤーに味方してくれる、と信じたいです。