ブラジルワールドカップ2014年日本の敗戦(その2−初戦の結果と内容)

ワールドカップのグループリーグ(GL)は、1試合が3回ではなく、3試合がそれぞれに関連し、戦い方も前の試合の結果や内容によって変わってきます。GL突破には1回の失敗は許されますが、2度目の失敗はもはや許されません。いや、一度目の失敗も後を引くことが。

今回の敗退の最大の原因は、第1戦のコートジボワール戦の戦い方と結果でした。ほとんどすべての事前報道・評論が緒戦にすべてをかけろ、と書いていました。ワールドカップの一般論でそうであるばかりか、日本の対戦相手の順番を考えても、第2戦までに勝ち点4を取っておきたいところでした。せめて勝ち点1を取っていれば、ギリシャ戦の入り方も全く違ったでしょう。
第2戦を終わったところで、勝ち点1では第3戦は最も強い相手に非常にリスクの高い闘い方にならざるを得ません。リスクをとった結果、皮肉にも第3戦特に序盤が一番良い戦いぶりになったのですが、それでも無用のPKを与えてからは後手後手の闘いになりました。

そして、第1戦のコートジボワール戦。試合序盤から日本のラインの低さ。最初から引いて守っているような布陣。いつもの日本の闘いぶりと違っていました。『自分たちのサッカーができなかった』のではなく、『自分たちのサッカーをしなかった』というべきです。引いて守る結果、前線は孤立し、攻撃にリズムができず、逆に相手に日本の左サイドをいいように使われました。唯一の得点は、スローインから長友、香川、本田の三人でとったもの。ラインの低さは関係ありませんでした。得点後の十分ほどは別として、引いて守り、押し込まれ、再三のピンチを招きました。ハーフタイムで修正ができそうなものでしたが、後半はさらに悪く、ドログバが出てきてからは一層消極的になり、日本の左サイドで相手にボールを持たれても寄せに行けず、同じような形でフリーでクロスを上げられ、ヘディングで決められ…。
敗戦という結果だけではなく、内容においても私の知る限り日本代表この1年間最悪の試合でした。戦術面でも修正ができたはずなのに、できなかった。相手より走れるはずが、先に足が止まってしまった。
走れなかったのは、コンディショニングなのか?しかし、ドイツワールドカップの失敗の教訓は十分学ばれていたはずで、コンディショニングの不調とも思えません。後から考えてもやはり、不可思議な第1戦の結果と内容がブラジルにおける日本代表の運命を決めたような気がします。