手塚治虫展

スペインで講演をした時に、「自分が選ぶ、20世紀後半(あるいは戦後)の日本を代表する日本人は、国内と国際的な知名度、時代を超えた内外への影響力、日本文化へのいろいろな意味での影響と言った点を考えて、手塚治虫だ」と紹介しました。日本で調査したらどういう結果になるでしょうか。
 ということで、江戸東京博物館で開催中の手塚治虫展を見てきました。いろいろな世代の人がいました。同じ時間帯にやってきたスペイン時代以来の同僚のご夫妻に会って、びっくり。手塚治虫の偉大さはいろいろな人に既に語り尽くされているのかもしれません。私の考える彼の偉大さの一つは、失敗を繰り返しながら、いくつになってもチャレンジし続けようとしていたことでしょうか。もっとも今日の展覧会には、そんな失敗はあまり出てきませんでした。
 興味深い展示は、中学生の頃に描いた昆虫の図鑑。水彩で、写真かと見まがうような精密な絵を描いており、驚きの描写力です。子どもの頃から高度な技法の絵を描いていたピカソを思い起こしました。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2009/0418/200904.html