ウェブ時代の日本外交

 昨日に引き続いて、日比谷公園のグローバル・フェスタにまた「中の人」として参加してきました。今日(4日)は、午後3時半から岡村駐コートジボワール大使と「ウェブ時代の日本外交」と題した対談のトークに出たのです。岡村大使は、「コートジボワール日誌」というブログを昨年9月の着任以来、ほぼ毎日更新しています。http://blog.goo.ne.jp/zoge1/
 同期の岡村大使が西アフリカのコートジボワールに赴任する前に、私が強く彼にブログ開設を勧めたのですが、赴任直後から質・量ともに素晴らしい内容のブログを書いています。アフリカの現状、現地の政治・社会の様子や現地で活躍する日本人の専門家、NGOなどの活動をビビッドに描いています。
 トークの会場は、小さなテントですが、立ち見の人も来るくらいで、期待以上の盛況でした。質疑応答もまずまず活発でイベント的にはうまくいったかなとほっとしています。
 「ウェブ時代の日本外交」・・・インターネット技術が日進月歩、Dog Yearのペースで進展している中で、外交や国際協力、国際交流のあり方も変わりつつあるのではないか、それに政府は追いついているのか、個人のブログのような形で日本国民に発信するというのはどういう意味があり得るのだろうか、という話を私からしました。岡村大使は、ブログを書いてどういう変化があったか、どういう苦労をしているかという話をしてくれて、私にも参考になりました。
 こういうテーマでの議論はこれまでほとんどされてこなかったように思います。自分自身がWebに詳しいわけでは全くないのですが、世の中が変わりつつあるときにこういう問題提起をするのは、ちょっと面白い試みだったと思います。ちなみに久しぶりに会場でTwitter認知度調査をしてみましたが、Twitterを知っていたのは2割弱。若い人ばかり。Twitterやっているという人は3人だけでした

 トークの中でも少し話したのですが、役所の人間が実名を出してインターネット上で発信をするということは、現在の日本ではまだまだ非常に大きなリスクがあります。ネット上の表現が問題を起こしたときに、本人に批判が向かうだけならまだしもその人が属する組織にまで批判が及び、組織に大きな迷惑をかけることになると考えるからです。
 今日の毎日新聞のクロストーク勝間和代さんが「インターネットでは実名で表現しよう」と論じています。大筋の議論は賛成なのですが、これに対してTwitterでも「実名出すこと、会社に禁止されているサラリーマンもいるってこと忘れないでください。目立つことが仕事の人もいれば、目立ってはいけない仕事の人もいますよ。」というtweetがなされて、大勢の人が反応していました。新刊の勝間和代著「目立つ力」を読みながら、個人として独立して働いている人は「目立って」いいけれど、組織の中にいる人間はなかなかなあ、と「うじうじ」考えてしまいます。
 このブログも中途半端な形で(目立ちたいのか、ひっそりと書こうとしているのかポリシーがはっきりしないまま)書いています。ブログを書き始めてから、いや書き始める前からずっと考えているのですが、なかなか結論が出ません。、