11月29日−七回忌の日

 2003年11月29日、イラク中部ティクリート付近で、イラク復興支援に携わっていた外交官、奥克彦参事官と井ノ上正盛書記官の車が何者かに銃撃され、同乗のジョルジース運転手とともに殺害されました。
 あれから、6年の日々がたち、七回忌を迎えます。いつも二人のことを思い出している私にとっては、きのうのことのようでもありますが。
 最近は、イラクのことが報道されることはずいぶん少なくなったような気がします。イラクでは、まだまだ厳しい治安事情ですが、状況は確実に改善しています。二人が尽力したイラク復興支援は、円借款と技術協力中心のステージに移っています。後は、日本の企業がもっと出ていって、ビジネスの関係が進展していくといいのですが。
 11月27日には、外務省の記念植樹の前で奥大使と井ノ上書記官の同期による追悼の黙祷式がありました。
 昨28日は、NGOが主催するODAに関するフォーラムが開かれたのですが、そこにイラク時代の奥と交流があり、引き続きイラクのために活動を続けているNGOの方(私も旧知の人物です)と奥大使の話をしました。
 明日30日には、早稲田大学で第5回奥・井ノ上記念フォーラムが開催されます。早稲田大学では、今年度も引き続き、奥・井ノ上イラク子ども基金の連携講座が開催されています。
 イラクでは、奥・井ノ上イラク子ども基金と連携してイラクの子どもたちの支援を行っているNGOがご命日にイラクの孤児50人を招待して、ご両人を追悼した式を開催しました。NGOの代表の方がメールで式の様子を報告してくれました。
 ラグビーの世界では、奥大使がその誘致に特別の力を注いでいた日本のラグビー・ワールド・カップ開催(2019年)が今夏に決まりました。 

 多くの人たちが、二人が如何に生きて、如何に人々のために尽くしたかを覚えているし、思い出しているのだなと感じます。