マンガ進化論・レビュー

 2004年に発表された「マンガ産業論」の著者がマンガを産業、ビジネスの観点からとらえる第2弾。Webで連載していたものを加筆修正して単行本の形で発行したものだ。
 世の中にマンガ論は山ほどあるが、産業、ビジネスの観点から分析したこうした形の本は非常に珍しい。新しく、類を見ないような本なのである。(アニメについては若干あるかもしれない)
 分析は地に足が着いていて、過剰な文化ナショナリズム的なところもないし、政府の役割についても過大に期待することなく、過小に貶めることもなく、バランスが取れていて、わかりやすい。
 一応の結論としては、デジタル化と国際化にブレークスルーを見いだすというもの。予想通りという感じもするし、反対もできないが、マンガに限らず日本の産業にはこれしか将来がないのだろうか。