3月のライオン

 第4回マンガ大賞2011、第35回講談社漫画賞一般部門をダブル受賞した「3月のライオン」。将棋をテーマにしたマンガですが、連載当初にちょっと読んだだけでした。ずっと気になっていたのですが、5冊まとめ買いして、土曜日に読書。

 最近(ここ数年といった所でしょうか)、将棋をテーマにしたマンガが増えてきましたが、「3月のライオン」は、将棋界の描写が他のマンガよりずっとリアルです。ちょっと前の有名な将棋マンガと言えば「月下の棋士」ですが、キャラクターの棋士に明らかなモデルの存在を想像させるなど、その画とともに一見リアルさを感じさせますが、「月下の棋士」の描く将棋界は実際のプロの将棋界とはかけ離れているという印象でした。

 3月のライオンは、マンガ的表現はもちろん多々出てきますが、作者羽海野チカの入念な取材が伺え、将棋を知らない人にもわかるようにプロ将棋の世界をかなり正確に見せてくれています。
 将棋のドラマと主人公をめぐる人間ドラマ、双方に高いレベルを持つこの作品は、ダブル受賞も納得です。