ワールドカップ2022観戦日記

12月9日(金)(カタール時間)

オランダ対アルゼンチン(2-2)(PK:3-4)

スタジアムは、アルゼンチンのサポーターに埋め尽くされている。

やや堅い立ち上がりだったが、だんだん激しくなる。決定機はなかなか来なかったが、ゴールが生まれるのは、やはりメッシのドリブルと美しいスルーパスから。

大会ここまでのベスト・パスに認定。

後半、点を取らないといけないオランダが出てくるが、なかなかいい形が作れない。逆に後半28分にアルゼンチンにPKが与えられ、2点差に。これで決まりかと思ったが、オランダは、シンプルに前線にロングボールを送るようになり、これはつなぐよりかえって脅威になった。空中戦はオランダに分がある。38分ベルハイスが頭で合わせて、1点差。ここから勝っているアルゼンチンが試合を荒らしたような感じで、パレデスが自分のファウルした球をオランダベンチに蹴りこんだり、ゴール前で無駄なファウルを犯したりとペースを乱す。そこからのFKでまさかのトリックプレーが出て、アデイショナルダイム11分目で同点になる。予想しなかった展開に。

延長前半は割と穏やかに進むが、後半最終盤はアルゼンチンが猛攻、勝ち越せるかと思えたが、ついに2試合連続のPK戦へ。ここは、心理的にオランダが優位と思えた。オランダの1本目も2本目もコース、スピードとも良かったが、GKマルティネスが素晴らしい読みと反応で2本ともストップ。アルゼンチンは、1本目をメッシが決めて、流れができた。

Man of the Matchは、メッシ。1G、1A。

メッシはロナウドと違って、世界から愛されているように思えるが、アルゼンチン代表の振る舞いはちょっとひんしゅくもの。パレデスの行為は一発レッドでもおかしくなかった。試合始まってすぐに、ラ・リーガのマテウ主審はカードたくさん出しそうだなと思っていたが、合計18枚でW杯記録。出し過ぎ。

 

ワールドカップ2022観戦日記

12月10日(土) (カタール時間)

イングランド対フランス(1-2)

 準々決勝の最大の好カード。前半は、全般にフランスがやや主導権を取っている印象。グリーズマンが攻守に効いている。17分、目の覚めるようなチュアメニのミドルシュートが決まる。

 得点後は、イングランドが前に出てチャンスも作る。25分、エリアのふちでケインが倒されVARが入ったところは、エリアの外でのファウルに見えたが、PKなしのVAR判定。エリアの外のファウルというのは、VARの対象外だったから、おとがめなしになったのか?

 エムバペは、前半は爆発せず。

 後半、イングランドが攻勢を強める中で、先制ゴールのチュアメニがサカを倒して、PK。ケインが完ぺきなコースに決めて同点。面白くなった。その後、イングランドの方が少し良くなるが、一進一退。33分、グリーズマンからのピンポイントのクロスにジルーが合わせた。おじさんルートでフランスがリード。

 後半39分、VAR後のPKをケインは、今度は大きく外してしまう。今大会は、PKにたくさんのドラマを見てきた。同点のチャンスを逸したイングランドは必死に攻めるも、スコアは動かず、フランスがベスト4。

Man of the Matchは、2アシストのグリーズマンアトレティコでもこれくらいやってくれ。

 モロッコ対フランスの準決勝も面白くなりそう。

ワールドカップ2022観戦日記

12月10日(土) (カタール時間)

ロッコポルトガル

 この試合はモロッコ応援。今大会では、基本的には非ヨーロッパの国(スペイン以外)を応援しているし、モロッコ代表の戦う姿勢は応援したくなる。

スタジアムは圧倒的にモロッコ応援組により占められている。モロッコは、唯一残ったアフリカ代表であると同時に、アラブ諸国の代表。ベスト8国の中で失点が一番数なく、タックル数が一番多い。見ての印象の通り、気迫あふれる守備のチーム。中でもアムラバトは、容貌からして迫力満点で、スペイン戦でも大活躍だった。

 ロナウドは今日もベンチスタート。今のポルトガルには、ロナウドをジョーカーとして残す方が機能しそうに思える。

 両チーム持ち味を出した前半だったが、エンネシリの驚異的に高い打点のヘディングでモロッコ先制。今日も凄いものを見せてもらった。後半、モロッコ心理的に受け身にならないようにしないと。

 後半6分にロナウド投入。ポルトガルの猛攻が始まる。モロッコは5バックにして、1点を守り切る態勢に入ったが、引き過ぎの感もあり、FK、CKから次々にピンチを迎えるが,何とか跳ね返す。ポルトガルはパワープレーを仕掛け、モロッコ側はイエロー2枚で退場者まで出してしまい、やられてしまうのではないかという予感があったが、ロスタイム8分を守りきり、モロッコがベスト4。

 モロッコおめでとう。全員がファイトして、勝利に値する戦いであった。

 Man of the Matchは、全員活躍のモロッコから選ぶのは難しいが、大会ベスト・ヘディング・ゴールのエンネシリ。そして、次は大歓声でチームを後押ししたモロッコ・サポーター。

 

ワールドカップ2022観戦日記

12月9日(金)(カタール時間)

クロアチア対ブラジル(1-1):PK戦(4-2)

準々決勝、早速凄い試合だった。ブラジルがボールを持つ展開になると思ったら、クロアチアが積極的に攻勢を仕掛け、むしろクロアチアペースで進む。クロアチアは、日本戦より、速くて、強い。モドリッチの動きも日本戦より上。さて、これが90分or120分+α持つのだろうか。

クロアチアがボール保持率で上回るという前半。クロアチアはかなりチャンスを作っているが、ペナルティ・エリアに誰かが侵入した時の怖さはブラジルの方が上か。どこでもモドリッチは2018年の彼に戻った感じ、今大会一の出来。 

後半、ブラジルが少しずつ押し込んでくる。クロアチアもチャンスを作っているようだが、枠内シュート0でわかるように、敵ゴールに危険な場面は作れていない。ブラジルのシュートが増えてきたが、GKリヴァバコビッチのセーブが今夜もすばらしい。延長上等、PKなお上等のクロアチアは30分粘れるか。

 延長に入って、ブラジルがさらに攻め込む中で、前半16分ネイマールがワンツーを2回使って、見えない道をこじあけ、GKをかわし、ついにブラジル先制。まさにスーパーゴール。テクニックという意味では、今大会一のゴールだった。あとは、ブラジルが試合を閉じるだけか、と思っていたが、後半12分ペトコビッチのシュートがDFに当たってコースが変わり、アリソンは逆をつかれてしまった。クロアチア唯一の枠内シュートで同点。この瞬間、ブラジル2億人の悲鳴が日本まで聞こえた感じがした。

 PK戦に入ったところで、クロアチアの雰囲気は日本戦のよう。リヴァコビッチが自信満々で登場し、最初のロドリゴのシュートを止め、結局クロアチアの勝利。クロアチアが勝つならこういう展開しかないという試合で、ビッグゲームをものにした。

Man of the Matchは、またしてもリヴァコビッチ。モドリッチも素晴らしかったが、ブラジルの枠内シュート10本中9本を止め、PK戦でも1本阻止した。PK戦でのオーラはテレビ越しにさえ伝わってくる感じがあり、マルキーニョスが外したのも、リヴァコビッチの圧があったこそ。クロアチアはW杯2大会で延長戦5試合、PK戦4試合すべて勝利。なんというチームか。

 

 

ワールドカップ2022観戦日記(日本対クロアチアその1)

12月5日(月)(カタール時間)

日本対クロアチア(1-1):PK戦(1-3)

 3日前、ある会議の席でこの試合の予想を聞かれて、「拮抗した試合になり、延長戦になる可能性も十分もある。PK戦の準備をしておいた方がいいかもしれない。」と言ったのだが、まさにそうした展開になった。PK戦で勝つという予想をしていたのだが・・・(日向坂46の影山優佳と同じ予想だな)。

 遠藤と富安がスタメンに帰ってきて、頼もしいメンバーになったと思ったが、試合開始早々、その富安のミスから大ピンチを迎える。が、権田がファインセーブ。前半は、それぞれの時間帯があり、全体としては、互角の展開。モドリッチは相変わらずうまいが、4年前からは明らかに運動量、パワーが落ちている。チーム全体も4年前の方が上で勝てるチャンスは十分ありと思えた。この試合では、日本がW杯予選からもほとんど見せてこなかったデザインされたセットプレーを何度か見せて、おっと思った。得点の匂いがしていたが、先制点もショートコーナーから生まれた。グループ・リーグではなぜ使わなかったのかな。

ハーフタイムは、これは行けるぞという期待感が膨れ、三笘を入れて2点目を取りに行けという気持ちでいた。後半は、クロアチアもかなり修正してきた。後半10分ペリシッチの、そこから決めるのか、というような高い打点のヘディングで失点。クロスボールの出し手にも少し詰めるべきだったと思うのは後知恵・・。同点になって、三笘、浅野を入れてきたが、クロアチアは三笘対策をしっかりしていて、なかなか攻撃的な形でボールを持てない。日本はもう少しリスクを取って攻撃に行ける能力はあったと思うのだが、お互いにあまり点が入る感じのしない後半になった。最大の決定機はモドリッチのシュート、これは権田のスーパーセーブが出た。

おじさん軍団クロアチアの方が先に疲れが出てくると期待した延長戦、大スターのモドリッチペリシッチまでも下げて新しい選手を入れ、消耗度合いは同じくらい。延長前半、三笘がドリブルで上がり、中に切れ込んで強いシュートを打ったシーンが一番興奮した瞬間だった。決まっていれば、新たな伝説になったろう一撃であったが、GK正面。後半は、クロアチアの方がやや分のある流れだったが、PK戦に行きそうな雰囲気のまま終了。

PK戦については、長くなるので。別エントリーで。事前に予想、期待していたのとは違って、いろいろな面でクロアチアが上だった。クロアチアGKには賞賛しかない。日本代表の戦い全体についての振り返りも別途書きたい。

Man of the Matchは、120分間なら日本では遠藤、クロアチアはDFのグヴァルディオル(まだ20歳だ・・・)。しかし、試合全体はもちろんGKリバコビッチ。

 

ワールドカップ2022観戦日記

12月5日(月)(カタール時間)  (日本戦は別エントリーで)

ブラジル対韓国(4-1)

 ブラジルが強いのはわかっていたが、圧倒的だった。前半7分にヴィニシウスが技ありのシュートを決め、13分には韓国にとってはやや不運なPKで2点目。ここで試合は決まってしまった。ビデオゲームみたいな展開でさらに3,4点目。韓国は見せ場なし。いったい何点差がつくかという感じだったが、後半はブラジルも少し緩くなり、決定機を決められず。韓国は決定機をいくつか作り(枠内シュートは7本)、31分にはペク・スンホの見事なミドルが決まり、意地を見せた。

 怪我から復帰したネイマールは自分で行くより、他の選手を活かすようにプレーして進化している感じだ。

 Man of the Matchは、先制点が試合の流れを作ったので、ゴールしたヴィニシウス。

 

12月6日(月)(カタール時間)

ロッコ対スペイン(0-0):PK戦(0-3)

気を取り直して(まだ取り直せてないが)また観戦の日々。水色のアウェーユニのスペイン代表は見たことがなく、ちょっと違和感がある。スペインに研修に行った1982年から応援しているスペインを今日も応援。スタジアムは、モロッコ・サポの大歓声でモロッコのホーム状態。

ロッコは予選リーグから良かったけど、このスペイン戦でも前半互角以上の戦いを見せている。前半シュートはモ1,ス3。ただGKがつなぐことにこだわりすぎると、大ピンチを招くぞ。(一つ既にあった。)これはスペインも同じだが、モロッコはそこまでプレスに来ない。

後半は、スペインがボールを握り、攻め続けるが、モロッコのブロックの守備をなかなかこじ開けられない。時々飛び出すモロッコのカウンターもなかなかの迫力。

延長に入っても同様の試合運びが続くが、モロッコ選手の労を惜しまぬ守備は解説のゴン中山にも称賛される。スペインはPK戦に持ち込みたくなかったし、モロッコPK戦上等、だったのだろうが、ついにスコア動かず。

PK戦は、昨日の日本対クロアチアの再現ビデオと思うような展開。スペイン1本目はポスト、2本目はGKに止められ、3人目はキャプテンのブスケッツ。そういえば吉田と顔が似ているが、同じコースに球を蹴り、同じようにGKに止められた。モロッコは初のベスト8。それに値する戦いぶりだった。おめでとう。羨ましいね。

Man of the Matchは、120分の間なら全集中で走り回ったモロッコのアムラバトだが、PK戦で2本を神セーブで止めたボノが試合の中の英雄。

 

ポルトガル対スイス(6-1)

 ポルトガルロナウドがベンチスタート。延長の可能性も考慮しての選手起用か。その代役のラモスがGKのニア上、隙間の小さいところをぶち抜くシュートを決めてポルトガル先制。前半は、ポルトガルがリズムをつかむ。さらに39歳のペペがCKを豪快に頭で叩き込んで、2点目。ペペは、いつから出ていて、いつまで出るんだという感じ。ロナウドのいないポルトガルは予選リーグより強いチームになっている印象。

 楽になったポルトガルは後半もイケイケ、ラモスがハットトリックを決めるなど、5-1になったところで、ロナウドが顔見せ、記録作りという感じで登場。試合的にはすでに終わっていた。

 Man of the Matchは、3点取ったラモス。準々決勝は、やはりスタメンで出してもらえるか?

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ベスト16の8試合を見て、PK戦になった2試合(日本対クロアチア、モロッコ対スペイン)の死闘を除けば、内容的にかなり差のついた試合になって、強豪と呼ばれるFIFAランク上位、予選リーグの1位突破国がいずれも勝利している。 

試合内容からするとちょっと迫力不足のラウンド16になったが、ここからは、すごい組み合わせの試合が続く。

 

ワールドカップ2022観戦日記

12月4日(日)(カタール時間)

フランス対ポーランド(3-1)

 エムバペ、やばい。フランスがピッチを支配する中で、ポーランドも時折良いチャンスを作り、38分には3本ゴールマウスシュートを放つがすべてはじき返される。このまま前半終わるかとエムバペからのパスにジルーが難しい体制でシュートを決めてフランス先制。ポーランドはゲームプランが崩れてしまった。

 エムバペがボールを持つたびに何かが起きそうな雰囲気がスタジアム全体に漂う。そのスピード、切れ、技術、これまでの本大会ベスト・プレーヤーの質を見せつける。後半に2本凄まじいシュートを決めて、今日もエムバペの日だった。レヴァンドフスキーはゴール前で良い場面を作れず、不完全燃焼だったが、最後にPKを決めて、W杯を去ることになった。

Man of the Matchは、言うまでもなくエムバペ。

 

イングランドセネガル(3-0)

 イングランドが押し気味に進めるも、最初に決定機を迎えたのはセネガル。しかし、GKピックフォードが左腕1本で防ぐ。その後、再びイングランド・ペースになり、38分にケインのアシストからヘンダーソンがゴール、48分についにケインにゴールが生まれる。後半も流れるような攻撃からイングランド3点目。セネガルの攻撃はことごとく、早い段階でつぶされ、イングランドの強さばかりが目立つ試合になった。

セネガル・サポーターの踊る軍団は、4試合、ずっと試合中楽器を鳴らして踊っているが、疲れないのか、試合を見ているのか気になる。

Man of the Matchは、1G1Aのケイン。